21日午後4時40分頃、東京都板橋区常盤台の住宅で、男女が死亡しているのを警視庁板橋署員が見つけた。
男女はこの家に住む金崎美隆さん(97)と、妻のてるさん(93)とみられ、同署が死亡の経緯を調べている。
板橋署によると、2人は2階のリビングで布団の上にうつぶせの状態で倒れていた。男性は上下スエット姿、女性はパジャマ姿だった。
近所の住民から、この家に通うケアマネジャーに「2週間前から夫婦の姿が見えない」と相談があり、署員らが遺体を発見した。2人に目立った外傷はなく室内も荒らされた形跡はなかった。
※続報
東京都板橋区常盤台の駅に近い住宅街で97歳と93歳の夫婦の遺体が21日、見つかった。
死因は病死で、同じ日に息を引き取ったとみられる。
介護サービスを受けていない元気な2人だった。近所の住民は安心して見守っていたが、同時に遺体で見つかったことにショックを隠せない。
たっぷりと蜂蜜がかかったトーストと、3~4杯の砂糖を入れたコーヒー。常連だった喫茶店で妻(93)が好きだったメニューだ。週に3~4回ほど、昼に訪れていた。
店のマスター中島輝之さん(64)によると、妻は若いころ、水泳の先生をしていたという。
町内会の役を引き受け、80歳を過ぎても朝のラジオ体操に参加するなど、近所でも一目置かれた存在だった。
「うちの旦那は掃除や洗濯も手伝ってくれるの、なんてうれしそうに話してくれた。長年一緒にいると文句の一つもありそうだけど、聞いたことはなかった」
夫(97)は会社員だった。子どもには恵まれなかったが、退職後は夫婦でゆったりとした日々を送り、そろって長寿の夫婦だと近所に知られていた。
近所の男性(71)は「腰もしゃんとしていてお元気だった。大きな風呂が好きで、夕方になると近くの銭湯に行くのが日課だった」と振り返る。
ところが、この数日、2階の電気がついたままで、外出が途絶えた。「何かおかしい」。
近所の住民が21日午後4時頃、民生委員やケアマネジャーを通じて交番に届け出て、夫婦が2階のリビングで亡くなっているのが見つかった。
板橋署は22日、司法解剖をして、2人は死後4日ほどで、死因は病死と判断した。
布団が並べて敷いてあり、夫は上下スウェット、妻はパジャマ姿。電気はついていた。
台所の炊飯器はご飯が炊きあがった状態で、食卓には梅干しが出してあった。署幹部は「朝か夜か分からないが、ほぼ同じ頃に亡くなったのではないか」と話す。
町内会長の服部宣孔さん(71)は「これまで高齢の独居世帯は最重要で気にかけていたが、あそこのご夫婦はお元気で、2人暮らしだった。これからはこれまで以上に気を配りたい」と話した。
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